ベトナムIT　2025

宜生玉田
3月12日
読了時間: 4分

近年、ベトナムはIT産業とデジタルトランスフォーメーション（DX）で飛躍的な成長を遂げており、特にビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）やオフショア開発で存在感を高めています。この文脈で、ゼロからの開発（0-1開発）や上流工程に関する動向について、具体的な開発スキームや開発言語、競争状況、エコシステム、そして人材確保の方法について深掘りします。

ベトナムの0-1開発と上流工程

開発スキームと開発言語

ベトナムのIT開発は、アジャイル開発手法をはじめとする柔軟な開発スキームを採用しています。これにより、顧客の要件に迅速に対応できる体制が整っており、スタートアップ企業から大手企業まで、さまざまな業界において広く利用されています。使用されるプログラミング言語や技術スタックは次のとおりです：

プログラミング言語: Java、Python、JavaScript（特にReactやNode.js）、PHP、C#などが主に利用されています。
フレームワーク: Django（Python）、Spring（Java）、Ruby on Rails、Angular、Vue.jsなどが選ばれています。
データベース: MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどが一般的であり、クラウドベースのデータ管理も増加しています。

競争状況

ベトナムの開発市場は急速に成長しているため、競争も激化しています。多くの企業がIT人材を確保しようと競い合いを繰り広げる中、技術力や経験を持つ人材は高く評価され、給与水準も上昇しつつあります。また、大手企業に加えて新興企業が多く参入しているため、市場内での差別化戦略やニッチ市場の開発が求められます。

エコシステムの状況

ベトナムのITエコシステムは急成長しており、研究機関やベンチャーキャピタル（VC）も積極的に動いています。大学や研究機関では、データサイエンスやAIに特化したプログラムが増えており、産業との連携も強化されています。例えば、ベトナム国家大学ハノイ校やホーチミン市大学では、企業との共同研究プロジェクトが実施されています。

・ベンチャーキャピタル:

ベトナムのスタートアップシーンにおいて、多くのVCが資金を投入しており、投資額も増加しています。有名なVCには、500 Startups VietnamやVinaCapital Venturesがあり、新興企業へのアクセスを提供し、成長を支援しています。

人材確保の方法

競争が激化する中、人材を確保するための戦略が重要になります。ベトナムでは以下の方法が効果的です：

リファラル制度:
社員の推薦に基づくリファラル制度は、優れた人材を見つけるのに効果的です。社員が友人や元同僚を推薦することで、より信頼できる人材を確保できます。
インターンシッププログラム:
大学との連携を通じて、学外インターンシップやプロジェクトベースの学習を導入することで、若手人材を早期に飼いならし、実際の仕事環境に適応させる方法も有効です。
職業訓練プログラム: ITスキルに特化した職業訓練プログラムやワークショップを提供することで、短期間でスキルを持った人材を育成することが可能です。

スモールケースでのスタートアップ方法と具体的な活用事例

ベトナムではスモールケースからスタートアップを始めるためのアプローチが多様化しています。以下のような方法が有望です：

最小限の実用製品（MVP）開発:
- スタートアップは初期段階で、必要最小限の機能を持つ製品を開発し、市場の反応を確認することができます。例えば、Fintechの分野では、小規模なアプリを開発し、ユーザーからのフィードバックを収集し、改善を重ねることが行われています。
ニッチ市場のターゲット化:
- 特定のニッチ市場をターゲットにするスタートアップが増えています。例えば、地域特有の食品デリバリーサービスや、教育分野での特化したeラーニングプラットフォームなどが成功事例として挙げられます。
資金調達イベントやピッチコンテスト:
- ベトナムでは、様々なスタートアップ関連のイベントが開催されており、投資家にアイデアを直接アピールする機会を提供しています。これにより、資金調達のチャンスを広げることが可能です。

まとめ

ベトナムはIT産業とDXの分野で急成長を遂げ、上流開発やBPO、オフショア開発の重要な拠点としての地位を確立しています。また、エコシステムが整い、研究機関やVCの支援を受けやすくなっており、人材確保のための効果的な施策も増えています。成功したスタートアップモデルやスモールケースのアプローチを通じて、持続的な成長とイノベーションが期待されます。各企業は、競争が激化する中で、技術力と市場での差別化を図り、より高い成果を上げるための戦略を練っていくことが求められます。ます。